研究・論文
Analysis of pooled cross-sectional study data on smoking among pregnant and nursing mothers after a disaster: Pregnancy and birth survey of the Fukushima health management survey
災害後の妊娠中および授乳中の母親の喫煙に関する横断研究データの統合分析:福島県「県民健康調査」妊産婦に関する調査
要約
我が国は世界的なたばこの流行と災害の両方の影響を最も強く受けている国の一つであり、両者はしばしば相互に関連しています。本研究の目的は、妊娠前に喫煙していた女性における喫煙継続または出産後の喫煙再開に関連する要因を分析し、福島原発事故後のような災害後の状況において、女性が禁煙を継続するための支援策を提示することです。
福島県「県民健康調査」妊産婦に関する調査に回答のあったデータの統合分析を行いました。2013年から2016年にかけて、福島県内の居住市区町村から母子健康手帳を交付された女性を解析対象とし、17,211件を分析しました。妊娠前に喫煙していた女性を、妊娠中および出産後の喫煙状況により分類し、避難状況、放射線リスク認知、年齢、出産回数、主観的健康感、うつ傾向について、妊娠前に喫煙していなかった女性と比較しました。
妊娠前に喫煙していなかった回答者は合計16,417人でした。妊娠前に喫煙していた回答者のうち、634人は妊娠中に禁煙し、出産後も禁煙を維持しました。182人は妊娠中に禁煙しましたが出産後に再喫煙しました。195人は妊娠中に喫煙しましたが出産後に禁煙しました。582人は妊娠中および出産後に喫煙を継続しました。年齢24歳以下(調整済みオッズ比※(以下AOR)=2.36)、経産婦(AOR=1.61)、およびうつ傾向(AOR=1.85)が再喫煙と関連していました。現在の避難状況(AOR=1.65)、放射線リスク認識(AOR=0.55)、年齢24歳以下(AOR=2.19)、経産婦(AOR=1.90)、既往歴(AOR=1.33)、うつ傾向(AOR=1.85)は、喫煙継続と関連していました。
喫煙を妊娠中も継続または出産後に再開する喫煙者には、精神的健康を含む複雑な根本要因に対処する支援の必要があります。喫煙の継続は特に災害関連要因と関連しており、被災した母親は健康増進のために多面的な支援が必要であることが示唆されました。
※調整済みオッズ比(Adjusted Odds Ratio:AOR)とは、年齢や性別などの違いをそろえたうえで、その要因が結果にどれくらい関係しているかを示した数字です。
書誌情報
| タイトル | Analysis of pooled cross-sectional study data on smoking among pregnant and nursing mothers after a disaster: Pregnancy and birth survey of the Fukushima health management survey |
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| 著者 |
中野裕紀1, 2、後藤あや3, 4、石井佳世子1, 5、森美由紀6、鈴木孝太7、ニハル・ラマン8、藤森敬也1, 9、
大平哲也1, 2、安村誠司1
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| 掲載誌 | Tob Induc Dis. 2026 Jan 29:24. |
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