メッセージ

ごあいさつ

2011(平成23)年3月11日に起きた東京電力福島第一原子力発電所事故(福島原発事故)では、環境中に大量の放射性物質が放出され、地域住民は避難を余儀なくされました。県民の皆さまは、この事故よる健康影響に対し強い危惧と不安を持たれ、社会は大きな混乱に陥りました。

福島県は、この様な状況を踏まえ、県民のこころとからだの健康を長期にわたって見守り、疾病の予防や早期発見・早期治療につなげ、健康の維持・増進を図ることを目的に、同年6月から「県民健康調査」を開始し、その実施を福島県立医科大学に委託しました。本学では、同年9月に調査を実施する組織として放射線医学県民健康管理センターを設立し、それ以来、県民の皆さまの想いに寄り添うことができる調査を実現すべく、懸命に努力してまいりました。

調査の実施に当たっては、福島県「県民健康調査」検討委員会を始め、国際機関、国内外の大学や研究・行政機関、学術団体等のご指導とご協力をいただきながら、本調査の充実、発展に努めています。

2020(令和2)年度には、県民の皆さまのご協力と関係各位のご指導のお陰で、本調査は事故後10年の節目の年を迎えることができました。そこで、10年間の調査の成果を取り纏めた『福島県「県民健康調査」報告書2011~2020』を出版し、調査の結果明らかとなった県民の皆さまの外部被ばく線量や健康状態を報告すると同時に、調査全体を検証し、今後の調査や住民支援の在り方を検討して戴く基礎資料としました。

今後も、調査結果を広く国内外に公表し、原発事故の経験と知見を世界と共有するとともに、事故の健康影響に関する正確な科学的情報を解り易く発信し、社会に還元することで、誤解や偏見の払拭にも取り組んで行きたいと考えています。

本調査の特徴は、調査を行うのみならず、その調査結果に基づく住民支援を行うことです。当センターは、今後も原発事故後の健康に関する県民の皆さまの不安に応えていくことをより一層重視してまいります。本調査を適切に実施するとともに、時間の経過に伴い多様化するニーズに応じた支援を提供していくことを通して、県民の皆さまの健康維持・増進の実現に貢献してまいります。

引き続き、福島県「県民健康調査」へのご指導、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

公⽴⼤学法⼈福島県⽴医科⼤学
放射線医学県⺠健康管理センター
センター⻑ 神⾕ 研⼆

センター長プロフィール