放射線の健康影響は

現時点では、甲状腺検査、妊産婦に関する調査において、原発事故の放射線による影響は確認されていません。

甲状腺検査(検査結果に関する検討委員会等の見解)

検査1回目

先行検査(検査1回目)で見つかった甲状腺がんは、「総合的に判断して、放射線の影響とは考えにくい」との見解

この評価の主な理由
  • 被ばく線量がチェルノブイリ事故と比べて総じて小さいこと。
  • 被ばくからがん発見までの期間がおおむね1年から4年と短いこと。
  • 事故当時5歳以下からの発見はないこと。
  • 地域別の発見率に大きな差がないこと。

出典:2016(平成28)年3月 福島県「県民健康調査」検討委員会 「福島県県民健康調査における中間取りまとめ」

検査2回目

「現時点において、本格検査(検査2回目)に発見された甲状腺がんと放射線被ばくの間の関連は認められない」との部会の評価を了承

この評価の主な理由
  • 国連科学委員会(UNSCEAR)が推計した甲状腺吸収線量と甲状腺がん発見率との解析で線量の増加に応じて発見率が上昇する関係(線量・効果関係)が認められない。
  • 精密検査が必要となるB判定の割合や悪性ないし悪性疑いの発見率は、事故当時等の年齢が高い年齢層ほど高く、チェルノブイリ事故後に低い年齢層に多く見られた年齢分布と異なる。

出典:2019(令和元)年10月 第36回福島県「県民健康調査」検討委員会

検査1回目から4回目

「先行検査から検査4回目までにおいて、甲状腺がんと放射線被ばくの間の関連は認められない」との見解

この評価の主な理由
  • 地域別推計被ばく線量または個人の推計被ばく線量と甲状腺がん発見率との解析において線量の増加に応じて発見率が上昇する関係(線量・効果関係)が認められない。

出典:2023(令和5)年7月第21回甲状腺検査評価部会(資料4)

妊産婦に関する調査の結果

早産率、低出生体重児出生率、先天奇形・先天異常発生率は、全国調査や一般的に報告されているデータと変わらなかった。

出典:2022(令和4)年5月 第44回福島県「県民健康調査」検討委員会、産婦人科診療ガイドライン産科編2023

早産率・低出生体重児率・先天性奇形率(%)

早産率 低出生体重児率 先天奇形・先天異常発生率
平成23年度 4.6(5.7) 8.6(9.6) 2.85 (2~3)※
平成24年度 5.6(5.7) 9.2(9.6) 2.39
平成25年度 5.2(5.8) 9.6(9.6) 2.35
平成26年度 5.3(5.7) 9.8(9.5) 2.30
平成27年度 5.6(5.6) 9.4(9.5) 2.24
平成28年度 5.3(5.6) 9.2(9.4) 2.55
平成29年度 5.3(5.7) 9.2(9.4) 2.38
平成30年度 5.2(5.6) 9.0(9.4) 2.19
令和元年度 5.1(5.6) 9.1(9.4) 2.71
令和2年度 4.4(5.5) 8.1(9.2) 2.21

早産率と低出生体重児率の( )は各年の人口動態統計における割合および発生率
※先天奇形・先天異常発生率の( )は一般的な発生率(産婦人科診療ガイドライン産科編2023より)