研究・論文
Longitudinal health checkup access pattern following a triple disaster using latent class growth analysis: The Fukushima Health Management Survey
潜在クラス分析を用いた複合災害後の健康診断受診パターンの縦断的解析
要約
福島県「県民健康調査」(FHMS)において、震災の影響を大きく受けた12の市町村において、健康診査の受診状況の経時的な変動を評価しました。本研究の参加者は、2011年3月11日から2012年4月1日までの期間に実施されたFHMSの健康診査を受診する対象となった方です。このうち、2011年度から2018年度までの健康診査の受診の有無などの情報が揃っている、167,479名の方の情報が解析されました。まず年度別に健康診査を受けられた方の割合が示されました。次に、潜在クラス分析の手法を用い、健康診査の受診のパターン分類が行われました。さらに、各グループと関連する要因を明らかにするために多項ロジスティック回帰分析が行われました。2011年度には参加者の29.7%の方が健康診査を受診されておりましたが、2018年度には19.9%まで低下しました。また、縦断的な健康診査の受診のパターンについて、3つのグループが同定されました(健康診査を長期的に受診されていたグループ1(15.2%)、受診の頻度が徐々に減少するグループ2(19.3%)、健康診査を受診されなかったグループ3(65.5%))。女性及び高齢の方が、健康診査を長期的に受診されていたグループ1と有意に関連しておりました。震災後、時間の経過とともに健康診査の受診率は低下しました。健康診査を多くの住民の方に受診していただく為には、受診をされていない方に対して、様々な方法で受診を呼びかけていく必要があります。
書誌情報
タイトル | Longitudinal health checkup access pattern following a triple disaster using latent class growth analysis: The Fukushima Health Management Survey |
---|---|
著者 |
小橋友理江1, 2、竹林由武1, 3、坪倉正治1, 2、大平哲也1, 4、坂井晃1, 5、岡崎可奈子1, 6、島袋充生1, 7、大戸斉1、安村誠司1 |
掲載誌 | Public Health. 2025 May 16:244:105755. |
関連リンク |