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甲状腺検査

Confounding factors and biases involved in regional differences in the detection rate of thyroid cancer in the second-round Thyroid Ultrasound Examination: the Fukushima Health Management Survey

甲状腺検査第2回目における甲状腺がん発見率の地域差に影響を与える交絡因子とバイアス:福島県「県民健康調査」

要約

福島県では震災時に0〜18歳の住民を対象とした「甲状腺検査」を開始しました。本研究においては、甲状腺がん発症の地域差に影響する交絡因子について検討しました。
本研究では、まず、甲状腺検査の先行検査および本格検査(検査2回目)の両者を受診した242,065人を、空間線量に応じた震災時居住地別に4グループに分類(第1地域:13市町村、第2地域:中通り、第3地域:浜通り(13市町村除く)、第4地域:会津)しました。二次検査の細胞診で悪性または悪性の疑いと診断された参加者数は、第1、第2、第3、第4地域において17人、38人、10人、4人で、発見率はそれぞれ10万人当たり53.8人、27.8人、21.7人、14.5人でした。
これを統計学的に分析すると、性(P = 0.04)、検査1回目の年齢(P < 0.0001)、検査1回目と検査2回目の間隔(P < 0.0001)が4地域間で有意に異なっており、これらが悪性結節発見率の地域差に影響を及ぼす交絡因子であると推察されました。さらに、二次検査の受診率(P = 0.0037)および細胞診の実施率(P = 0.0037)にも有意な地域差が認められ、潜在的なバイアスとなる可能性があると考えられました。多変量ロジスティック回帰分析において、調査間隔のみを調整、または性、年齢、調査間隔を調整した後では、悪性結節の発見における有意な地域差は認められませんでした。さらに、二次検査受診率の地域差の影響を除外するため、二次検査の受診者における悪性結節の発見率を検討したところ、有意な地域差は認められず、一次検査受診者における検討よりもさらに地域差は縮小していました。
以上の結果から、甲状腺がん発見率に重要な影響を及ぼす可能性のある、本研究で同定された交絡因子(性、年齢、検査間隔)およびバイアス(二次検査受診率、細胞診実施率)は、今後の研究で十分に考慮されるべきと考えます。

書誌情報

タイトル Confounding factors and biases involved in regional differences in the detection rate of thyroid cancer in the second-round Thyroid Ultrasound Examination: the Fukushima Health Management Survey
著者

志村 浩己1, 2、横谷 進1, 3、鈴木 悟1、岩舘 学4, 5、鈴木 聡1, 4、松塚 崇1, 6、鈴木 眞一7、林 史和1, 8、長尾 匡則1, 8、大平 哲也1, 8、安村 誠司1, 9、大戸 斉1、神谷 研二10
1 福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター、2 福島県立医科大学医学部臨床検査医学講座、3 福島県立医科大学附属病院甲状腺・内分泌診療センター、4 福島県立医科大学医学部甲状腺内分泌学講座、5 南相馬市立総合病院外科、6 朝日大学附属病院耳鼻咽喉科、7 福島県立医科大学甲状腺治療学講座、8 福島県立医科大学医学部疫学講座、9 福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座、10 広島大学原爆放射線医科学研究所

掲載誌 J Radiat Res. 2023 Sep 22;64(5):761-768.
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