研究・論文
こころの健康度・生活習慣に関する調査
Disruption of Child Environments and Its Psychological Consequences After the Fukushima Disaster: a Narrative Review Based on the Ecological Systems Model.
福島の放射線災害後における子どもの環境の途絶とその心理的影響:生態学的システムモデルによるナラティブレビュー
要約
福島の放射線災害の影響を受けた子どもたちにおいて、臨床レベルと考えられるこころの問題に関して、高い有病率が示されました。そこで、災害が福島の子どもたちにどのような影響を与えたかを検討するため、子どものこころの問題に関する文献をレビューしました。家族や仲間集団といった、子どもを取り巻く環境が放射線に関する心配や避難により壊されていました。家庭と学校おける社会資源の減少と奮闘する一方、子どもたちは差別にも直面させられていました。政府の経済的支援から、地域の支援組織による家族と子どもへの臨床的介入を含めたメンタルヘルスサービスといった、様々な介入が実施されましたが、それに加えて、被災者へのより包括的な支援のためには、様々なレベルにまたがる協働が必要であることが示されました。子どもの健康な心理的発達を支えるためには、子どもと家族の支援に携わる様々な分野の専門家による協働を通して、子どもの家族、特に親にむけた、多次元の支援を提供することが必須であると考えられます。
書誌情報
タイトル | Disruption of Child Environments and Its Psychological Consequences After the Fukushima Disaster: a Narrative Review Based on the Ecological Systems Model. |
---|---|
著者 |
水木理恵 1、小林智之 2、前田正治 1,2
|
掲載誌 | Curr Psychiatry Rep. 2021 Jul 1;23(8):49. |
関連リンク |