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甲状腺検査

Investigation of thyroid cancer cases that were not detected in the Thyroid Ultrasound Examination program of the Fukushima Health Management Survey but diagnosed at Fukushima Medical University Hospital

福島県「県民健康調査」甲状腺検査で見つからず福島県立医科大学附属病院で診断された甲状腺がんの症例の検討

要約

2011年3月11日に発生した東日本大震災とそれに続く福島第一原子力発電所事故によって、福島県「県民健康調査」の一環としての甲状腺超音波検査プログラムが開始された。このプログラムの目的は、福島県民を支え、また、放出された放射性核種の健康影響を解析することである。比較的高い受診率とよく計画された診断フローにもかかわらず、すべての甲状腺症例が甲状腺検査によって見つかるとは限らないであろうことが推測される。本研究の目的は、福島県立医科大学附属病院においてこれらの「集計外」症例を同定してその特徴を明らかにすることである。2017年6月30日の時点で11例の集計外症例を同定することができた。これらは甲状腺検査で甲状腺がんまたは甲状腺がんの疑いと診断された194例に対してその5.7%に相当した。他施設における集計外症例は検討されなかったが、福島県立医科大学附属病院が多数の甲状腺がん症例を治療していることから、本研究が全国の集計外症例の大部分を同定した可能性がある。さらに、11例の特徴は甲状腺検査で同定された対象者の特徴と違いがなかった。これらの所見は、甲状腺検査が甲状腺がんの対象者を適切かつ十分に同定しえていることを確認するものである。

書誌情報

タイトル Investigation of thyroid cancer cases that were not detected in the Thyroid Ultrasound Examination program of the Fukushima Health Management Survey but diagnosed at Fukushima Medical University Hospital
著者

横谷進1)、岩舘学1),2),3)、志村浩己1),3),4)、鈴木悟1),3)、松塚 崇3),5)、鈴木聡1),2),3)、室野重之5)、安村誠司3),6)、神谷研二3),7)、橋本優子8)、鈴木眞一1),2)
1)福島県立医科大学甲状腺・内分泌センター、2)福島県立医科大学医学部甲状腺内分泌学講座、3)福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター、4)福島県立医科大学医学部臨床検査医学講座、5)福島県立医科大学医学部耳鼻咽喉科学講座、6)福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座、7)広島大学原爆放射線医科学研究所、8)福島県立医科大学医学部病理病態診断学講座

掲載誌 Fukushima J Med Sci. 2020 Jan 9;65(3):122-127. doi: 10.5387/fms.2019-26. Epub 2019 Dec 13.
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