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妊産婦に関する調査

Development and Implementation of an Internet Survey to Assess Community Health in the Face of a Health Crisis : Data from the Pregnancy and Birth Survey of the Fukushima Health Management Survey, 2016

健康危機に直面した地域の健康評価のためのインターネット調査の開発と実装:2016年度福島県「県民健康調査」・妊産婦に関する調査を用いて

要約

福島県「県民健康調査」の妊娠・出産調査は、福島県で2011年から毎年実施しているアンケート調査です。2016年からは、紙媒体だけでなく、オンラインでも調査を実施しています。
本研究では、オンライン化することで回答率が向上したかどうかを明らかにするとともに、紙調査とオンライン調査の回答者の特徴とその結果を明らかにすることを目的としました。WEBアンケートシステムの LimeSurvey を使用して、コンピュータやモバイルデバイスから回答できるオンライン調査環境を構築しました。回答者は、紙で回答するかオンラインで回答するかを選択することができました。2016年の調査の回答率は51.8%で、前年比3.5%の増加となりました。このうち、オンラインでの回答は15.8%であり、オンライン回答者のほとんどが初産でした。地域によるオンライン回答率に有意差は見られず、回答方法によるうつ傾向の割合にも違いはみられませんでした。さらに、自由回答の割合に差はないものの、紙回答の自由記載欄文字数はオンライン回答よりも有意に多かったことから、紙回答は自分の気持ちや要望を詳しく伝えられるためと考えられます。オンライン回答は簡便ですが、自らの気持ちを文字を通して伝えたい希望がある対象者にとっては紙回答の方が適しており、対象者に合わせて、紙回答とオンライン回答を使い分ける必要があると考えられます。
以上のことから、回答率を上げるためには、オンライン回答をより操作しやすい方法に変えていくこと、現在の自らの気持ちを伝えたい対象者には紙回答による方法も残しておくことが必要であり、紙調査とオンライン調査を組み合わせることで、回答者の利便性が向上し、回答率の向上に寄与していることが分かりました。

書誌情報

タイトル Development and Implementation of an Internet Survey to Assess Community Health in the Face of a Health Crisis : Data from the Pregnancy and Birth Survey of the Fukushima Health Management Survey, 2016
著者

中野裕紀1),2)、石井佳世子1)、後藤あや1),3)、安村誠司1),4)、大平哲也1),2)、藤森敬也1),5)
1)福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター、2)福島県立医科大学医学部疫学講座、3)福島県立医科大学総合科学教育研究センター、4)福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座、5)福島県立医科大学産科・婦人科学講座

掲載誌 Int. J. Environ. Res. Public Health. 2019 Jun 1;16(11):1946.
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