研究・論文
Effects of lifestyle on hepatobiliary enzyme abnormalities following the Fukushima Daiichi nuclear power plant accident : The Fukushima health management survey
震災後の肝胆道系酵素異常への生活習慣因子の影響:福島県「県民健康調査」
要約
2011年の東日本大震災以降、避難区域を含む13市町村の地域住民を対象に福島県「県民健康調査」の健康診査とこころの健康度・生活習慣に関する調査が実施されています。これまで我々は健康診査の結果から、震災後に肝障害(肝胆道系酵素異常)の割合が増加し、震災後の避難が肝障害のリスクとなることを報告しました。本論文では、健康診査の結果に、こころの健康度・生活習慣に関する調査の結果を連結して、肝障害の要因を明らかにすることを目的としました。
肝障害は対象(22,246人)の27.3%で認められました。実際の避難生活の有無別では、避難生活者でその頻度が高く(避難29.5%、非避難25.7%、P <0.001)、男性、中等量以上の飲酒、活動量低下は避難の有無に関わらず、肝障害のリスク要因となっていました。さらに、非避難者では転職が、避難者では非雇用がそれぞれ肝障害のリスク要因でした。本論文で、震災後の肝障害に様々な要因が影響していることが示されました。
書誌情報
タイトル | Effects of lifestyle on hepatobiliary enzyme abnormalities following the Fukushima Daiichi nuclear power plant accident : The Fukushima health management survey |
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著者 |
高橋敦史1),2)、大平哲也1),3)、岡崎可奈子1),3)、安村誠司1),4)、坂井晃1),5)、前田正治1),6)、矢部博興1),7)、細矢光亮1),8)、大津留晶1),9)、川崎幸彦1),8)、鈴木均1),10)、島袋充生1),11)、杉浦嘉泰1),12)、宍戸裕章1),13)、林義満1),14)、中野裕紀1),3)、小橋元1),15)、神谷研二1)、大平弘正1),2) |
掲載誌 | Medicine (Baltimore). 2018 Oct;97(42):e12890. |
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