研究・論文
Systematic determination of thyroid volume by ultrasound examination from infancy to adolescence in Japan: The Fukushima Health Management Survey.
乳幼児から青年期における甲状腺の大きさについて~福島県「県民健康調査」~
要約
正常甲状腺の大きさは、年齢と体表面積によって決まってくることが諸外国では報告されていますが、日本では系統立てて、超音波を用い、小児甲状腺の大きさの正常値を報告した論文はほとんどありません。この論文では、0-19歳の甲状腺の正常の大きさについて、明らかにすることを目的としました。対象者は、2011年10月9日から2012年3月31日までに福島県「県民健康調査」を受診いただいた38,063人でした。
この方々のうち、種々の理由で計測が困難であったり、甲状腺が欠損している方々を除いた34,227人(男性17,233人、女性16,994人)の計測値を利用いたしました。甲状腺の右と左の大きさをそれぞれ、楕円形として、超音波による横、厚さ、縦の計測から容積を計算し、平均とばらつきを算出しました。男女別、各年齢の小さい人からと大きい人からのそれぞれ2.5%にあたる方の値を算出し、表や図を用いて記載しました。甲状腺の大きさは、既報のとおり、年齢や、体表面積と正の相関を認めました。右の甲状腺は左の甲状腺よりも大きいことがわかりました。体表面積や年齢による影響を除くと、女性の方が男性よりも甲状腺は大きいことがわかりました。この正常値の値は、今後、日本の小児甲状腺の大きさの基準値を決める上で、有用であると考えています。
書誌情報
タイトル | Systematic determination of thyroid volume by ultrasound examination from infancy to adolescence in Japan: The Fukushima Health Management Survey. |
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著者 |
鈴木悟1),2)、緑川早苗1),3)、福島俊彦1),2)、志村浩己1),4)、大平哲也1),5)、大津留晶1),3)、阿部正文1)、柴田義貞1)、山下俊一1)、鈴木眞一1),2) |
掲載誌 | Endocrine Journal. 2015;62(3):261-8. |
関連リンク |