研究・論文
Effect of Radiological Countermeasures on Subjective Well-Being and Radiation Anxiety after the 2011 Disaster:The Fukushima Health Management Survey
2011年事故後の放射線対策が主観的幸福感と放射線への不安にもたらす効果:福島県「県民健康調査」
要約
2011年の福島第一原子力発電所事故後、放射線被ばくへの懸念と主観的幸福度の低下が報告されています。これらの問題に取り組むために、放射線に関する様々な対策が行われてきました。
本研究では、放射線対策が主観的幸福度(生活満足度、情動的な幸福感など)や放射線への不安にもたらす効果を、福島県民(1,023人)を対象としたアンケートを行うことで、包括的に評価しました。傾向スコアマッチングを適用し、放射線対策が主観的幸福度や放射線不安にもたらす効果が有意かどうかを評価しました。放射線対策の中で、甲状腺検査、ホールボディカウンター、空間線量の測定は、参加した割合、参考にした割合、役立つと思う割合において高い値を示し、これらの対策の社会的注目度が高いことが示唆されました。基本調査は、生活満足度や主観的健康観の有意な増加と関連していました。甲状腺検査は、放射線不安の低減だけでなく、情動的なストレスの増加とも有意な関連を示し、システムの注意深い設定と詳細なコミュニケーションの重要性が示唆されました。食品検査は主観的健康観の低下と関連していました。説明会を参考にした方は、悲しみ、不安、放射線不安が増加しており、専門家と関係機関が説明会に関与する上で注意を要することが示されました。
書誌情報
タイトル | Effect of Radiological Countermeasures on Subjective Well-Being and Radiation Anxiety after the 2011 Disaster:The Fukushima Health Management Survey |
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著者 |
村上道夫1),2)、竹林由武1),2)、竹田宜人3)、佐藤映子4)、五十嵐泰正5)、佐野和美6)、保高徹生7)、内藤航8)、広田すみれ9)、後藤あや1),10)、大平哲也1),11)、安村誠司1),12)、谷川攻一1) |
掲載誌 | International Journal of Environmental Research and Public Health. 2018 Jan 12;15(1):124. |
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