実施状況
対象者数、受診者数と受診率の推移
15歳以下
- 15歳以下の令和3年度の受診率は12.4%で、令和2年度の13.5%と比較すると、1.1ポイント減少しましたが、例年に比べると減少幅は緩くなっています。
16歳以上
- 16歳以上の令和3年度の受診率は17.3%で、令和2年度の16.0%と比較すると、1.3ポイント増加しました。受診者数増加の主な理由として、新型コロナウイルス感染症の感染を心配し受診を控えていた方が令和3年度になり受診したことが考えられます。
主な健診結果の経年変化(年齢区分:15歳以下)
肥満
- 受診時0~5歳男子の肥満(BMI-SDスコア≧2)の割合は、平成23年度が最も多く、平成26年度にかけて減少傾向がみられ、その後は一定の傾向を示しませんでした。
- 受診時0~5歳女子の肥満(BMI-SDスコア≧2)の割合は、平成23年度が最も多く、平成28年度にかけて減少傾向がみられ、その後は一定の傾向を示しませんでした。
- 受診時6~15歳の肥満(BMI-SDスコア≧2)の割合は、男女とも平成23年度が最も多く、平成26年度にかけて減少傾向がみられ、その後は一定の傾向を示しませんでした。
※身長と体重の測定値から算出したBMIの標準偏差スコア(BMI-SDスコア)2以上を肥満と判定した。
脂質異常
- LDL-C 140mg/dL以上の割合は、男女ともに増加と減少を繰り返す傾向にありましたが、令和3年度は増加傾向がみられました。
- 中性脂肪140mg/dL以上の男子の割合は、平成23年度から令和2年度にかけて増加と減少を繰り返す傾向にありましたが、令和3年度は増加傾向がみられました。女子の割合は、大きな変化はみられませんでした。
- HDL-C 40mg/dL未満の割合は、男女ともに増加と減少を繰り返し、一定の傾向を示しませんでした。
※日本動脈硬化学会作成「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」の判定基準をもとに脂質異常を判定した。
主な健診結果の経年変化(年齢区分:16~39歳、40~64歳、65歳以上)
肥満
- 男性では、全ての年齢区分で平成28年度に比べ平成29年度に増加し、その後、令和3年度にかけては大きな変化は見られませんでした。
- 女性では、16~39歳で平成23年度から令和3年度にかけてやや増加傾向がみられました。40~64歳は平成26年度から令和2年度にかけてやや増加する傾向がみられましたが、令和3年度にやや減少傾向がみられました。65歳以上は平成23年度から令和3年度にかけてやや減少する傾向がみられました。
※身長と体重の測定値から算出し、25.0以上を肥満と判定した。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
尿糖、尿蛋白、尿潜血
- 尿糖1+以上の割合は、40歳以上において、平成27年度から増加傾向がみられました。
- 尿蛋白1+以上の割合は、16~39歳と65歳以上の年齢区分において、平成23年度から令和2年度まで増加傾向がみられましたが、令和3年度はやや減少傾向がみられました。
- 尿潜血1+以上の割合は、65歳以上では、平成23年度から令和3年度まで減少傾向がみられました。
※集団健診・個別健診で使用している判定基準をもとに検尿異常を判定した。
糖尿病
- 糖尿病型(HbA1c6.5%以上)の割合は、65歳以上で、平成23年度から令和3年度まで増加傾向がみられました。
※日本糖尿病学会作成「糖尿病治療ガイド2022-2023」の判定基準をもとに判定した。
尿酸
- 尿酸値7.9mg/dL以上の割合は、16~39歳の男性では、平成23年度から令和2年度にかけて増加傾向がみられましたが、令和3年度は減少する傾向がみられました。
- 尿酸値5.6mg/dL以上の割合は、16~39歳、40~64歳の女性では、平成23年度から令和3年度にかけて増加傾向がみられました。
※日本臨床検査標準協議会設定共用基準範囲の上限をもとに判定した。
健康診査に関する直近の「県民健康調査」検討委員会への報告は、福島県ホームページをご覧ください。
結果のまとめ
健康診査において避難区域等の住民の健康状態を把握することにより、避難による身体活動量の低下、及び食生活の変化が体重・肥満の増加に影響している可能性や避難生活が危険因子と考えられる疾患が明らかになりました。
15歳以下
- 震災後、肥満、脂質異常、高尿酸血症、肝機能障害、高血圧症、耐糖能異常を呈する小児が一定数存在することが示されました。
- その後の追跡調査で肥満は改善しましたが脂質異常の改善が遅れていることが分かりました。
16歳以上
- 震災後一年以内の白血球数およびその分画の解析結果から、放射線の直接的な影響は確認されていません。
- 震災後に肥満、高血圧症、脂質異常、糖尿病、腎機能障害、肝機能障害、高尿酸血症、多血症の増加がみられ、放射線の間接的な影響(避難等による生活環境の変化などによる健康影響)が考えられます。一方で、治療率が向上し血圧値やLDLコレステロール値の改善傾向がみられるとともに、運動や食事の改善に伴う肝機能障害の改善傾向が確認されました。
- 生活環境の変化、こころの指標、健診項目の関係の解析から、心的外傷後ストレス障害(PTSD)とメタボリックシンドロームの増加の関係がみられました。
健康診査の概要
目的
東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故により、多くの方が避難生活を余儀なくされ、食生活、運動習慣など生活習慣が大きく変化し、また、受診すべき健康診査も受けることができなくなるなど、健康に不安を抱えている住民もいることから、県民の健康状態を把握し、生活習慣病の予防や疾病の早期発見、早期治療につなげることを目的に避難区域住民を対象に開始。
対象者
- 2011(平成23)年3月11日から2012(平成24)年4月1日までに対象地域*1に住民登録をしていた方。(なお、対象地域*1から転出後も対象)
- 実施年度の4月1日時点で対象地域*1に住民登録をしていた方。
- 上記以外で、基本調査の結果必要と認められた方。
*1
対象地域:2011(平成23)年時に避難区域等に指定された市町村等
広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村、南相馬市、田村市、川俣町、伊達市の一部(特定避難勧奨地点の属する区域)
健診項目
年齢区分 | 検査項目 |
---|---|
0歳~6歳(就学前乳幼児) | 身長、体重 [希望がある場合のみ] 血算(赤血球数、ヘマトクリット、ヘモグロビン、血小板数、白血球数、白血球分画) |
7歳~15歳(小学校1年生~中学校3年生) | 身長、体重、血圧、血算(赤血球数、ヘマトクリット、ヘモグロビン、血小板数、白血球数、白血球分画) [希望がある場合のみ] 血液生化学(AST、ALT、γ-GT、TG、HDL-C、LDL-C、HbA1c、血糖、血清クレアチニン、尿酸) |
16歳以上 | 身長、体重、腹囲(BMI)、血圧、血算(赤血球数、ヘマトクリット、ヘモグロビン、血小板数、白血球数、白血球分画)、尿検査(尿蛋白、尿糖、尿潜血)血液生化学(AST、ALT、γ-GT、TG、HDL-C、LDL-C 、HbA1c 、血糖 、血清クレアチニン、eGFR、尿酸) ※下線部は、通常、特定健康診査では検査しない追加項目 |
実施方法
年齢区分 | 居住地 | 実施方法 |
---|---|---|
15歳以下 | 県内 | 県内指定医療機関での小児健診 |
県外 | 県外指定医療機関での小児健診 | |
16歳以上 | 県内 |
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県外 |
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