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基本調査

Representativeness of individual external doses estimated for one quarter of residents in the Fukushima Prefecture after the nuclear disaster: The Fukushima Health Management Survey

福島県民の約4分の1に対して評価された事故後の個人外部被ばく線量の代表性: 福島県「県民健康調査」

要約

基本調査では、県民個々人に事故後4か月間の行動(居場所等)の記録を問診票にご記入いただき、それをもとに空間線量率マップを利用して個人ごとの外部被ばく線量を推計してきました。この問診票の対象者全体(震災当時、県内に住民登録があった方、約206万人)に対する回答率は約27%で、回答者が県民全体を代表しているのかどうかという懸念がありました。
そこで本研究では、今までの調査で既に回答した方と未回答者との線量とを比較することによって、今までに基本調査で得られた結果が県民全体を代表するのかどうかを調査しました。このため、県内7つの地域(県北、県中、県南、会津、南会津、相双、いわき)から合計で5,350人の方を無作為に(くじ引きを引くような方法で)選び出しました。このときに線量が広い範囲に分布している地域(相双地域など)ほど、多めに対象者を選び出しています。このようにして選び出された方々について基本調査に回答済みかどうかを調べた後、未回答者について回答をいただくための戸別訪問調査を行いました。
戸別訪問調査の対象者となった方々については、事前に訪問調査の目的、内容等を記載した通知をお送りさせていただきました。事前通知が住所不明等で戻ってきた分を除いて、合計で2,645人の方について戸別訪問をしました。留守等で対象者の方と接触できなかった場合もありましたが、合計990人の方から回答をいただくことができました。従来の調査で回答していた方と、戸別訪問調査で回答していただいた方の線量を比較したところ、7つの地域全てで両グループの線量は同等であるという結果になりました。
この結果により、今までに基本調査にご回答いただいた方(全県民のおよそ4分の1)の外部被ばく線量の分布は、県民全体を代表するものであることが示唆されました。

書誌情報

タイトル Representativeness of individual external doses estimated for one quarter of residents in the Fukushima Prefecture after the nuclear disaster: The Fukushima Health Management Survey
著者

石川徹夫1)、高橋秀人1)、安村誠司1)、大津留晶1)、坂井 晃1)、大平哲也1)、坂田律2)、小笹晃太郎2)、赤羽恵一3)、米内俊祐3)、栗原治3)、神谷研二1),4)、阿部正文1),5)
1)福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター、2)放射線影響研究所、3)量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所、4)広島大学、5)福島県病院局

掲載誌 Journal of Radiological Protection. 2017 Jun 15;37(3):584-605.
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