研究・論文

その他

Academic Responses to Fukushima Disaster:Three New Radiation Disaster Curricula

福島県の災害に対する教育機関の対応:3つの新たな放射線災害カリキュラム

要約

放射線事故、特に原子力災害は、その他の種類の災害と比較して稀なものであるため、包括的な放射線災害医療カリキュラムはまだありません。大地震と原子力災害という福島県の複合災害は、今後起こりうるあらゆる複合災害に備えた、新しい災害医療カリキュラムの構築の必要性を示しました。
新しい災害医療教育は、住民、災害弱者、作業員等に対する放射線の健康リスクに関し、それぞれの状況に対応するための教育を確立することが目的となっています。本総説では、複合的な原子力災害の社会的影響に関する知識と、それに対応するための技術を学生、専門家、教育者に提供するために開始された、3つの新しい教育プログラムを紹介します。
一つ目のプログラムは、福島県立医科大学で行われている医学生向けの教育として、リスク・コミュニケーション、放射線の心理社会的影響や放射線災害に対する対応方法などの様々な視点から成る放射線災害医学に焦点を当てて紹介します。二つ目のプログラムは、広島大学の博士課程教育のフェニックスリーダー育成プログラムであり、関連する科学的、環境的、社会的
な問題に対処できるリーダーを育成することを目指しています。三つ目のプログラムは、長崎大学と福島県立医科大学の共同大学院における災害・被ばく医療科学専攻(修士課程)です。

書誌情報

タイトル Academic Responses to Fukushima Disaster:Three New Radiation Disaster Curricula
著者

安井清孝1)、木村悠子1),2)、神谷研二3)、宮谷理恵1),2)、津山典弘2)、坂井晃2)、吉田浩二4)、山下俊一5)、Rethy Chhem6)、May Abdol-Wahab7)、大津留晶1),2)
1)福島県立医科大学附属病院、2)福島県立医科大学医学部、3)広島大学、4)長崎大学医学部保健学科、5)長崎大学原爆後障害医療研究所、6)カンボジア開発資源研究所(CDRI)、7)国際原子力機関(IAEA)

掲載誌 Asia Pacific Journal of Public Health. 2017 Mar;29(2_suppl):99S-109S.
関連リンク