研究・論文
基本調査
Fukushima Health Management Data:external radiation dose estimates
外部被ばく線量の評価~福島県「県民健康管理調査」~
要約
福島県「県民健康管理調査」の一環として、事故後4か月間の外部被ばく線量を評価する基本調査が行われています。2013年7月31日現在で、483,088人の方から回答が得られ、特に先行調査地域(川俣町、浪江町、飯舘村)に関して回答率は58.3%でした。全県ベースの回答率は23.5%ですが、回答率には地域差が見られ、会津や南会津では13%から15%の間である一方、相双地区では42%程度の回答率が得られています。これらの回答をもとに、2013年7月31日現在で445,015人に関する線量推計がなされ、放射線業務従事経験者を除いた435,788人に関する推計結果では5mSv以上が1,025人、10mSv以上が123人といった結果が出ています。また最高値は25mSvでした。
男女別、年齢別の解析も行われていまして、10mSv以上のうち男性は78人、女性は45人であること、5mSv 以上では男性は572人、女性は453人といった結果が出ています。また5mSv以上の方を年齢別に見ると、19歳以下が66人、20歳から39歳が125人、40歳から59歳が361人、60歳以上が473人となっています。
ここで得られた結果は4か月間の外部被ばく線量ではありますが、今までの疫学調査により100mSv以下では明らかな健康への影響は見られていないことから、放射線による健康影響は考えにくいと評価されています。
書誌情報
タイトル | Fukushima Health Management Data:external radiation dose estimates |
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著者 |
坂井晃(福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター) |
掲載誌 | Fukushima Journal of Medical Science. 2013;59(2):110. |
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