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こころの健康度・生活習慣に関する調査

Psychometric evaluation of the Japanese version of the Posttraumatic Stress Disorder Checklist in community dwellers following the Fukushima Daiichi nuclear power plant incident:The Fukushima Health Management Survey

福島第一原子力発電所事故後の地域在住者における「日本版心的外傷後ストレス障害チェックリスト」の計量心理学的評価:福島県「県民健康調査」

要約

私たちは、福島県「県民健康調査」の初年度データを用い、「日本版心的外傷後ストレス障害チェックリスト-ストレス因子特定版(PCL-S)」の計量心理学的特性について評価を行いました。16歳以上の総数26,332人の男性および33,516人の女性が本研究に参加しました。参加者は、日本の福島県の避難区域に居住し、東日本大震災と原子力発電所事故を体験しました。参加者の心的外傷後ストレス障害(PTSD)症状を評価するために、PCL-S を使用しました。さらに、私たちは、精神的苦痛に関するケスラーの6項目検査スケール(Kessler Six-item Screening Scale)(K6)を実施し、教育、雇用、健康度自己評価、睡眠の満足度、地震・津波・原子力発電所事故の体験、および災害による近親者との死別を評価することによって PCL-S の妥当性を検証しました。
PCL-S スコアは、より得点の小さいほうに人数が多い分布の形状を示しました。確証的因子分析では、3または4因子モデルより5因子モデルの方が適合度の高いことが示されました。 PCL-S およびその下位スケールでは、高いクロンバックのα係数が示されました。PCL-S スコアは、精神疾患の病歴、近親者との死別、津波体験、原子力発電所事故体験、健康度自己評価、および睡眠の満足度と弱いか中程度の相関があり、精神的苦痛と強い相関がありました。 PCL-S スコアには、有意な性差と年齢差がありました。
全体として、本研究では、スコア分布、因子構造、信頼性、妥当性、および性差と年齢差を含む PCL-S の計量心理学的特性が確認されました。したがって、日本版 PCL-S は、心的外傷性の出来事を体験した地域在住者の PTSD 症状を評価するための有用な手段となることが考えられます。

書誌情報

タイトル Psychometric evaluation of the Japanese version of the Posttraumatic Stress Disorder Checklist in community dwellers following the Fukushima Daiichi nuclear power plant incident:The Fukushima Health Management Survey
著者

岩佐一1)、鈴木友理子2)、志賀哲也1)、前田正治1)、矢部博興1)、安村誠司1)
1)福島県立医科大学、2)国立精神・神経医療研究センター

掲載誌 SAGE Open. 2016;6(2).
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