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Risk Analysis as Regulatory Science: Toward The Establishment of Standards

レギュラトリー・サイエンスとしてのリスク学:基準値の設定に向けて

要約

基準値の設定方法を理解することは、リスクコミュニケーションの上で不可欠であり、今後必要な研究に対する展望を提示します。本論文では、避難の基準や飲食物の暫定的規制値の例を通して、基準値設定のためのレギュラトリー・サイエンスとしてのリスク学の概念を明示します。さらに、基準値に関連する今後必要な研究のための学術的ニーズを抽出します。パターナリズム的な指向性である従来の「基準値I」とステークホルダー間の合意を通して設定される「基準値II」の概念を、福島原子力発電所事故後に見られた新たな基準に関連する動向の現状を取り入れることによって体系化し、基準値に関する展望について論じます。原子力発電所事故の前に徹底したリスク対話を実施し、ステークホルダー間の合意に基づいた基準値を準備することが、安全な社会を保証し、主観的幸福度を促進するための有望な方法になると示唆されます。

書誌情報

タイトル Risk Analysis as Regulatory Science: Toward The Establishment of Standards
著者

村上道夫(福島県立医科大学医学部健康リスクコミュニケーション学講座)

掲載誌 Radiation Protection Dosimetry. 2016 Sep;171(1):156-62.
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