研究・論文
Relationship between evacuation after the Great East Japan Earthquake and new-onset hyperuricemia: A 7-year prospective longitudinal study of the Fukushima Health Management Survey
東日本大震災後の避難と新規発症高尿酸血症との関連:福島県「県民健康調査」の7年間の前向き縦断研究
要約
【背景と目的】2011年3月11日の東日本大震災の発生により福島第一原子力発電所事故が起きました。これにより多くの避難者がライフスタイルの変化を余儀なくされました。しかし避難が高尿酸血症の新規発症に及ぼす影響については十分に解明されていません。本研究では福島県「県民健康調査」をもとに、避難と新規発症高尿酸血症との関連を生活習慣や社会心理的要因といった観点から縦断的に検討しました。
【方法と結果】2011年度に県民健康調査の「健康診査」と「こころの健康度・生活習慣に関する調査」を両方とも受診した高尿酸血症を発症していない住民18,140人(男性6,961人、女性11,179人)を対象とした7年間の前向き縦断研究です。新規発症の高尿酸血症と、生活習慣や避難を含む社会心理的要因との関連を、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて解析しました。追跡期間中央値4.3年間に、2,996人(男性1,608人、23.1%、女性1,388人、12.4%)が新規に高尿酸血症を発症しました。女性では避難と新規発症高尿酸血症の間に有意な関連が認められましたが(調整ハザード比1.18、95%信頼区間1.04-1.32、p = 0.007)、男性では有意な関連は認められませんでした(調整ハザード比1.11、95%信頼区間0.99-1.24、p = 0.065)。
【結論】女性において災害後の避難は新規発症高尿酸血症の独立した危険因子の1つです。
書誌情報
タイトル | Relationship between evacuation after the Great East Japan Earthquake and new-onset hyperuricemia: A 7-year prospective longitudinal study of the Fukushima Health Management Survey |
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著者 |
本田和也1, 2、岡崎可奈子3, 4, 5、田中健一1, 6、小針英理1、風間咲美3, 6、橋本重厚2, 3、大平哲也3, 5、坂井晃3, 7、安村誠司3, 8、前⽥正治3, 9、矢部博興3, 10、細矢光亮3, 11、高橋敦史3, 12、針金まゆみ3、中野裕紀3, 5、林史和3, 5、長尾匡則3, 5、島袋充生3, 13、大戸斉3、神谷研二3, 14、風間順一郎1, 3, 6 |
掲載誌 | PLoS One. 2023 Oct 26;18(10):e0293459. |
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