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健康診査

Influence of post-disaster evacuation on childhood obesity and liver dysfunction: The Fukushima Health Management Survey

小児の肥満と肝機能障害に対する東日本大震災後の避難の影響:福島県「県民健康調査」

要約

2011年に発生した東日本大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所事故の後、福島県民の健康を長期にわたり見守るために福島県「県民健康調査」が開始されました。震災後間もなく行われた健康診査の結果、震災時に避難地域に居住していた6歳から15歳の小児の中には、肥満、高脂血症、肝機能障害、腎機能障害を呈する小児が一定数存在することが分かりました。本研究の目的は、避難地域に居住していた小児における肥満と肝酵素異常の、その後の長期的傾向を明らかにすることです。
2011年から2018年までの小児における肥満度指数標準偏差スコア(BMI-SDS)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP)の変化を評価しました。
肥満(BMI-SDS ≧ 2)は肝胆道酵素異常と有意に関連していました。平均BMI-SDSは、震災後の2011年に有意に高値でしたが、その後徐々に低下しました。これに対し、肥満の割合は、震災後にも有意な増加を示しませんでした。肝胆道酵素異常の有病率は、2011年から2018年まで、男女とも、有意な差を認めませんでした。
本研究の結果、震災後の平均BMI-SDSの増加は一時的なものであり、肥満や肝機能障害の割合に有意な影響がなかったことが分かりました。しかし、小児期の肥満は将来の生活習慣病に繋がるため、肥満のある小児については健康診査を継続すべきでしょう。

書誌情報

タイトル Influence of post-disaster evacuation on childhood obesity and liver dysfunction: The Fukushima Health Management Survey
著者

細矢光亮1, 2、中野裕紀1, 3、橋本浩一1, 2、大平哲也1, 3、坂井晃1, 4、島袋充生1, 5、安村誠司1, 6、大戸斉1、神谷研二1
1 福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター、2 福島県立医科大学医学部小児科学講座、3 福島県立医科大学医学部疫学講座、4 福島県立医科大学医学部放射線生命科学講座、5 福島県立医科大学医学部糖尿病内分泌代謝内科学講座、6 福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座

掲載誌 Pediatr Int. 2023 Jan-Dec;65(1): e15663.
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