研究・論文
Dietary Patterns and New-Onset Type 2 Diabetes Mellitus in Evacuees after the Great East Japan Earthquake: A 7-Year Longitudinal Analysis in the Fukushima Health Management Survey
東日本大震災後の避難者における食事パターンと2型糖尿病の新規発症:福島県「県民健康調査」における7年間の縦断的解析
要約
災害後の2型糖尿病(T2DM)の発症には、食事パターンが関係している可能性があります。本研究は東日本大震災および福島第一原子力発電所事故の避難者において、食事パターンと新規発症T2DMの関連を検討しました。
2011年7月から2012年11月の間に福島県県民健康調査で食事評価に回答した20~89歳の非糖尿病患者22,740人について、2018年までのT2DM発症率を評価しました。簡易食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いて食事データを収集しました。Varimax回転を用いた主成分分析を適用し、FFQに基づく食事パターンを導出しました。抽出された食事パターンについて、①典型的な日本人の食事パターンには、野菜(白、緑、赤、黄)、魚、果物、豆製品(豆腐、納豆、味噌汁)、米が含まれていました。②ジュースパターンでは、野菜ジュース、フルーツジュース、ヨーグルト、豆乳、果物、牛乳、煮豆、パンが含まれていました。③肉類パターンでは、鶏肉、牛肉・豚肉、ハム・ソーセージ、パンなどがありました。
追跡期間中のT2DMの累積発生率は、男性で18.0/1000人年、女性で9.8/1000人年でした。典型的な日本人食事パターン得点の最低四分位と比べた最高四分位のT2DM発症の多重調整ハザード比(95%信頼区間)は、全体で0.80(0.68、0.94;傾向のP値=0.015)、男性で0.85(0.68、1.06;傾向のP値=0.181)、女性で0.76(0.60、0.95;傾向のP値=0.04)でした。
東日本大震災および福島第一原子力発電所事故後の避難者、特に女性において、典型的な日本人の食事パターンが、新規発症T2DMリスクの低減と関連している可能性があります。
書誌情報
タイトル | Dietary Patterns and New-Onset Type 2 Diabetes Mellitus in Evacuees after the Great East Japan Earthquake: A 7-Year Longitudinal Analysis in the Fukushima Health Management Survey |
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著者 |
馬恩博1, 2、大平哲也1, 2, 3、平井裕之4、岡崎可奈子2, 3, 5、長尾匡則2, 3、林史和2, 3、中野裕紀2, 3、鈴木友理子6、坂井晃3, 7、高橋敦史3, 8、風間順一郎3, 9、矢部博興10、前田正治3, 11、安村誠司3, 12、大戸斉3、神谷研二3, 13、島袋充生3, 4 |
掲載誌 | Nutrients. 2022 Nov 17;14(22):4872. |
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