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Lifestyle Factors Associated with Undernutrition in Older People after the Great East Japan Earthquake: A Prospective Study in the Fukushima Health Management Survey

東日本大震災後の高齢者における低栄養と関連する生活習慣要因:福島県県民健康調査における前向き研究

要約

2011年3月の東日本大震災後の運動習慣を含む生活習慣と低栄養(BMI≦20.0㎏/m2)の発生率との関係を明らかにするために、縦断的な検討を行いました。震災前に市町村の避難区域に居住し、健康診断を受けた60歳以上の31,411人のうち、肥満度Body Mass Indexが20〜25kg/m2の17,622人を2017年度まで追跡調査しました(平均追跡期間6.9年)。追跡可能だった解析対象者は、13,378人でした。
震災後の低栄養とライフスタイル要因の関連をCox比例ハザード回帰モデルを用いた多変量調整分析により検討しました。従属変数は震災後の低栄養の割合とし、独立変数は避難状況、運動習慣・身体活動、飲酒、喫煙、就寝前の食事、消化器手術歴、生活習慣病歴、2つ以上の自覚症状としています。合計13,378人のうち、1712人が震災後に新たに低栄養になりました。低栄養の発生に影響を与える統計的に有意な変数とハザード比(95%信頼区間)は、運動習慣不良1.14(1.03-1.27)、身体活動不良1.12(1.01-1.25)でした。その他の有意な関連変数は、非避難、飲酒習慣、外科手術歴、生活習慣病、2つ以上の自覚症状でした。
これらの結果は、性別、その他の生活習慣、過去の病歴にかかわらず、災害後の低栄養を予防するためには、定期的な運動や身体活動が重要である可能性を示唆しています。

キーワード:高齢者、低栄養、東日本大震災、生活習慣要因、定期的な運動、身体活動

書誌情報

タイトル Lifestyle Factors Associated with Undernutrition in Older People after the Great East Japan Earthquake: A Prospective Study in the Fukushima Health Management Survey
著者

岡崎可奈子1, 2, 3, 大平哲也1, 3, 坂井晃1, 4, 島袋充生1, 5, 風間順一郎1, 6, 高橋敦史1, 7, 中野裕紀1, 3, 林史和1, 3, 長尾匡則1, 3, 安村誠司1, 8, 大戸斉1, 神谷研二1, 9
1福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター、2福島県立医科大学保健科学部理学療法学科、3福島県立医科大学医学部疫学講座、4福島県立医科大学医学部放射線生命科学講座、5福島県立医科大学医学部糖尿病内分泌代謝内科学講座、6福島県立医科大学医学部腎臓高血圧内科学講座、7福島県立医科大学医学部消化器内科学講座、8福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座、9広島大学原爆放射線医科学研究所

掲載誌 Int J Environ Res Public Health. 2022 Mar 14;19(6):3399.
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