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こころの健康度・生活習慣に関する調査

The Association between Parenting Confidence and Later Child Mental Health in the Area Affected by the Fukushima Nuclear Disaster: The Fukushima Health Management Survey

原子力災害後の福島における乳幼児期の親の育児不安とその後の子どものメンタルヘルスの関連:福島県県民健康調査

要約

県民健康調査では、2011年の福島第一原子力発電所事故後の子どもの生活習慣とメンタルヘルスの状態を確認するための調査を実施しております。 本研究の参加者は、避難指示区域に指定された市町村で2012年度の「こころの健康度・生活習慣に関する調査」に回答された0~3歳の子ども、1,126人でした。 母親の育児の自信のなさは自記式質問紙により2012年度 のベースライン調査で測定しました。母親の育児の自信のなさと、2015及び2016年度 のフォローアップ調査で測定した子どもの強さと困難さ(SDQ)と登園渋りとの関連を検討しました。
育児に自信がない母親は15.8%、何とも言えないは42.4%、自信があるは41.8%でした。子どもの性、年齢、健康状態等の共変量 を調整した多変量ロジスティック解析の結果、育児に自信がある母親に比べて、自信がない母親のリスクは有意に高く(OR, 2.8; 95%CI, 1.59-4.93; 登園渋り: OR=1.98, 95%CI: 1.24-3.18)、2012年度の母親における育児の自信のなさは、2015又は2016年度の子どものメンタルヘルスの問題を予測しました。長期的影響を地域社会に及ぼす大規模災害後は、子どものメンタルヘルスの問題を予防するためには、幼い子どもを持つ母親に焦点を当てた心理ケアが必要と考えられます。

書誌情報

タイトル The Association between Parenting Confidence and Later Child Mental Health in the Area Affected by the Fukushima Nuclear Disaster: The Fukushima Health Management Survey
著者

水木理恵1、 前田正治1,2、 小林智之2、堀越直子1、 針金まゆみ1,6、 板垣俊太郎3,4、 中野裕紀1,5、大平哲也1,5、矢部博興4、 安村誠司1,6、 神谷研二1,7
1福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター、2福島県立医科大学医学部災害こころの医学講座、 3福島県立医科大学大学健康管理センター、4福島県立医科大学医学部神経精神医学講座、 5福島県立医科大学医学部疫学講座、6福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座、 7広島大学原爆放射線医科学研究所

掲載誌 Int J Environ Res Public Health. 2022 Jan 2;19(1):476.
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