研究・論文
妊産婦に関する調査
A mother’s work is to worry: Accepting maternal concerns during a health crisis
健康危機における母親の自然な心配
要約
自然災害も人工災害も、出生からはじまる人のライフサイクルに大きな影響を及ぼします。特に母親と小さい子どもは、心理的に負の影響を受けやすいグループです。一方で、命に危険が及ぶような事態はその程度によって、人々がポジティブな行動を起こすきっかけともなります。本章では、母親のレジリエンス(心のばね力)を示すような反応を見るため、原子力災害後の母親の妊娠の意図、育児不安、そして受けた支援について分析しました。また、同じようなことが現行の新型コロナウイルス感染症蔓延でも言えるかも確かめました。母親の放射線の心配とうつ傾向が関連していた一方で、育児の自信に変化は見られませんでした。コロナ禍で不安を感じている母親の方が、予防行動を取っていました。健康危機に直面した時、母親が不安となるのは自然な反応です。そのような母親の不安を前向きにとらえて、より効果的な予防行動につなげるよう支援することが、保健医療従事者には求められています。
書誌情報
タイトル | A mother’s work is to worry: Accepting maternal concerns during a health crisis |
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著者 |
後藤あや1, 2、鈴木孝太3、郡山千早4 |
掲載誌 | Health Effects of the Fukushima Nuclear Disaster 2022, Pages 319-329 Editors: Kenji Kamiya, Hitoshi Ohto, Masaharu Maeda 1st Edition |
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