研究・論文
IAEA consultancy meeting on low-dose radiation for patients and population.
患者と住民の低線量放射線に関するIAEAコンサルタンシーミーティング
要約
福島県立医科大学と国際原子力機関(IAEA)は、これまで、年に数回の国際会議を開催してきたほか、社会科学的・技術的な問題、コミュニケーション、低線量放射線に関する教育などを含む原子力緊急事態下でのさまざまな問題を扱った医学教育に関する出版物を作成してきました。本稿では、2020 年 10 月 21 日、22 日に開催された「患者と住⺠の低線量放射線-医師とステークホルダーとのコミュニケーションと認知のための科学技術社会論(STS)の概念-」に関する IAEA コンサルタンシーミーティングについて報告します。
本会議は、7 つのセッションで構成され、7 カ国から合計 27 件の発表と 39 名の参加がありました。COVID-19 が世界的に流行していることから、今回の会議は、福島県立医科大学と IAEA の共同開催によってオンラインで行われました。各国の時差を考慮して発表時間を短縮しましたが、十分な議論の時間を確保したうえで開催されました。
会議では、環境・食品・個人の線量評価、原子力災害後の放射線とその他の二次的健康影響、医療関係者と患者・住⺠とのコミュニケーション、原子力事故に関する医学教育など、さまざまな分野に焦点が当てられました。この会議の開催により、原子力災害に関する STS についての議論が進み、国内外の専門家間で県⺠健康調査の結果や福島の現状が共有されました。今回の会議では、原子力事故後の被災地の協調的な復興と世界的な準備の重要性が確認されました。
書誌情報
タイトル | IAEA consultancy meeting on low-dose radiation for patients and population. |
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著者 |
村上道夫1、大須賀健一 1、大戶⻫ 1、神谷研二 1、斎藤清 2、Uwe Scholz3、May Abdel-Wahab4
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掲載誌 | Fukushima Journal of Medical Science, 2021 Aug; 67(2):89-93 |
関連リンク |