研究・論文
Long-Term, Community-based Approach for Affected People Having Problems With Mental Health and Lifestyle Issues After the 2011 Fukushima Disaster: the Fukushima Health Management Survey
2011年福島災害後のメンタルヘルス・生活習慣関連問題を抱えた被災者に対する長期的かつコミュニティに根差したアプローチ:福島県「県民健康調査」
要約
こころの健康度・生活習慣に関する調査(ここから調査)は、2011年の福島災害後の被災者が被った長期的避難生活に関連した様々な健康問題を見守るために、2012年から県民健康調査の一環として毎年行われてきました。 本調査は、被災時避難区域に住んでいた約21万人を対象とした、郵送法調査です。ここから調査のもう一つの目的は、調査結果に基づいた、電話を用いた効果的な介入支援を行うことです。ここから調査によって、長期的な避難生活等によって引き起こされた放射線由来でない健康問題の理解につながる意義深い知見が得られ、それらの結果から毎年3,000人を超える人々への電話支援を行うことができました。本論では、本調査で得られた、抑うつ症状やトラウマ症状等のメンタルヘルス問題にとくに焦点を当てて述べるとともに、電話支援の有効性についても論じます。 ここから調査の結果からは、主要なメンタルヘルス評価項目についての改善がみられる一方で、いくつかの精神医学的指標では、今なお標準人口の有病率に比べて高い状態が続いています。とくに県外に居住している返信者のほうが県内居住者よりもメンタルヘルス指標が悪いです。返信率を向上させる工夫とともに、被災者や被災コミュニティのニーズを満たすべく本調査をより良いものにし、継続していく必要があります。
書誌情報
タイトル | Long-Term, Community-based Approach for Affected People Having Problems With Mental Health and Lifestyle Issues After the 2011 Fukushima Disaster: the Fukushima Health Management Survey |
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著者 |
前田正治1, 2、針金まゆみ2, 3、堀越直子2, 3、竹林 唯1, 2、佐藤秀樹1, 2、高橋敦史2, 4、桃井真帆1, 2、後藤沙織1, 2、及川祐一2、水木理恵2、三浦 至2, 5、板垣俊太郎2, 5、矢部博興2, 5、大平哲也2, 6 、安村誠司2, 3、大戸 斉2, 7、神谷研二2, 8 |
掲載誌 | J Epidemiol. 2022;32(Suppl_XII):S47-S56. |
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