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こころの健康度・生活習慣に関する調査

Suboptimal diabetic control and psychological burden after the triple disaster in Japan: the Fukushima Health Management Survey

東日本大震災後の血糖コントロール不良と心理的負担:福島県県民健康調査

要約

東日本大震災後、精神的健康障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD: post traumatic stress disorder)が増加しました。しかし糖尿病患者における精神的健康障害、心的外傷後ストレス障害の実態は明らかではありませんでした。
本研究では、福島県県民健康調査における「こころの健康度・⽣活習慣に関する調査」に回答し、かつ「健康診査」を受診した16,097名の被災者(糖尿病を有する1820名(11.3%)および糖尿病を有しない14,277名(88.7%))を対象とした横断的分析を行いました。精神的健康障害はKessler-6 尺度の合計≥13、心的外傷後ストレス障害はPTSDチェックリストの合計≥44で判定しました。血糖コントロール不良はヘモグロビンA1c(HbA1c)≧7%としました。オッズ比(OR: odds ratio、95%信頼区間)はロジスティック回帰分析で算出しました。
性・年齢調整ロジスティック回帰分析では、血糖コントロール不良は、現在喫煙、避難生活、睡眠の不満とともに、精神的健康障害と心的外傷後ストレス障害の両方と関連していました。多変量調整ロジスティックモデルでは、血糖コントロール不良が、転職、避難、睡眠の不満とは独立して精神的健康障害と関連していました。
東日本大震災後、精神的健康障害は、血糖コントロール不良と関連していました。糖尿病患者,特に血糖コントロール不良の場合,災害後の精神的健康障害に脆弱である可能性があります。

書誌情報

タイトル Suboptimal diabetic control and psychological burden after the triple disaster in Japan: the Fukushima Health Management Survey
著者

平井 裕之1,2、岡崎 可奈子3,4、大平 哲也3,5、前田 正治3,6、坂井 晃3,7、中野 裕紀3,5、林 史和3,5、⻑尾 匡則3,5、針⾦ まゆみ3,5、⾼橋 敦史3,8、大平 弘正3,8、風間 順一郎3,9、細⽮ 光亮3,10、⽮部 博興3,11、鈴⽊ 友理⼦12、安村 誠司3,13、⼤⼾ ⻫3、神⾕ 研⼆3、島袋 充生1,3
1 福島県立医科大学医学部糖尿病内分泌代謝内科学講座、2 白河厚生総合病院 第三内科、3 福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター、4 福島県立医科大学保健科学部理学療法学科、5 福島県立医科大学医学部疫学講座、 6 福島県立医科大学医学部災害こころの医学講座 、7 福島県立医科大学医学部放射線生命科学講座、8 福島県立医科大学医学部消化器内科学講座、9 福島県立医科大学医学部腎臓高血圧内科学講座、10 福島県立医科大学医学部小児科学講座、11 福島県立医科大学医学部神経精神医学講座、12 国立精神・神経医療研究センター行動医学研究部、13 福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座

掲載誌 BMJ Open Diabetes Res Care. 2021 Sep;9(1):e002007.
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