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健康診査

Evacuation after the Great East Japan Earthquake is an independent factor associated with hyperuricemia: The Fukushima Health Management Survey.

東日本大震災後の避難は高尿酸血症の独立因子の一つである:福島県県民健康調査

要約

【背景と目的】
2011年3月11日に東日本大震災が発生し、さらに東京電力福島第一原子力発電所事故が発生しました。その結果、多くの避難者の生活が大きく変化しました。本研究では、福島県県⺠健康調査をもとに、避難と高尿酸血症の関連性を、生活習慣や社会心理的要因、災害関連要因といった観点から検討しました。
【方法と結果】
2011年度に県⺠健康調査の「健康診査」と「こころの健康度・生活習慣に関する調査」を両方とも受診した住⺠ 22,812 人を対象とした横断的研究です。高尿酸血症と、生活習慣や社会心理的要因、避難などの災害関連要因との関連を多変量調整ロジスティック回帰分析、および線形回帰分析を用いて推定しました。
尿酸値が男性で 7.0mg/dL 以上、女性で 6.0mg/dL 以上を高尿酸血症と定義した場合、男性では年齢、肥満度、血圧値、血糖値、血清脂質値、腎機能及び喫煙・飲酒等の生活習慣を調整した後でも避難と高尿酸血症の間に有意な関連が認められました(オッズ比 1.20、95%信頼区間 1.05〜1.36、p=0.005)が、女性では有意な関連は認められませんでした。線形回帰分析では、男性(β=0.084、p=0.002)と女性(β=0.060、p<0.001)の両方で、尿酸値と避難は正の相関を示しました。
【結論】
東日本大震災後の避難は高尿酸血症の独立した関連因子の一つです。

書誌情報

タイトル Evacuation after the Great East Japan Earthquake is an independent factor associated with hyperuricemia: The Fukushima Health Management Survey.
著者

本田和也1, 2, 岡崎可奈子 3,4, 田中健一 1, 風間順一郎 1,3, 橋本重厚 2,3, 大平哲也 3,5, 坂井晃 3,6, 安村誠司 3,7, 前田正治 3,8, 矢部博興 3,9, 鈴木友理子 3,10, 細矢光亮 3,11, 高橋敦史 3,12, 中野裕紀 3,5, 林史和 3,5, ⻑尾匡則 3,5, 大平弘正12, 島袋充生 3,13, 大戶⻫ 3, 神谷研二 3
1 福島県立医科大学医学部腎臓高血圧内科学講座、2 会津医療センター糖尿病・内分泌代謝・腎臓内科学講座、3 福島県立医科大学放射線医学県⺠健康管理センター、4 福島県立医科大学新医療系学部設置準備室、5 福島県立医科大学医学部疫学講座、6 福島県立医科大学医学部放射線生命科学講座、7 福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座、8 福島県立医科大学医学部災害こころの医学講座、9 福島県立医科大学医学部神経精神医学講座、10 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神医療政策研究部、11福島県立医科大学医学部小児科学講座、12 福島県立医科大学医学部消化器内科学講座、13 福島県立医科大学医学部糖尿病内分泌代謝内科学講座

掲載誌 Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2021 Feb 3;S0939-4753(20)30525-1.
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