研究・論文
Relationship between physical activity/exercise habits and the frequency of new onset of lifestyle related diseases after the Great East Japan Earthquake among residents in Fukushima: the Fukushima Health Management Survey
東日本大震災後の福島県民の身体活動/運動習慣と生活習慣病の新規発症頻度との関連:福島県県民健康調査
要約
東⽇本⼤震災後の福島県の避難区域等の住⺠における⽣活習慣病の発症増加に対する運動習慣の影響については、⼗分に明らかにされていません。本研究では、福島県県⺠健康調査(FHMS)のデータを⽤いて、震災後の⽣活習慣病の新規発症頻度に対する運動習慣の影響を検討しました。2011-12 年と 2014-15年の両⽅で 11回以上の健康診査を受けた40-90歳の32,289⼈(男性14,004 ⼈、⼥性18,285 ⼈)のうち、それぞれの⽣活習慣病の有無が把握でき、運動・⾝体活動習慣に関する問診に回答した⼈を対象としました(脂質異常症 8,017⼈、⾼⾎圧症7,173⼈、糖尿病13,140⼈)。2014-15 年の⽣活習慣病の新規発症頻度と、運動・⾝体活動習慣の継続(Active lifestyle)の有無との関連を、FHMSデータを⽤いて検討しました。脂質異常症の新規発症は、Active lifestyle 群が運動・⾝体活動習慣の継続の無い(Sedentary lifestyle)群に⽐べて、有意に低くなりました(P=0.008)。単変量および多変量ロジスティック回帰分析では、年齢、性別、追跡期間と独⽴して、Active lifestyle の有無、肥満、避難経験が、脂質異常症の新規発症と有意な関連を⽰しました。従って、⾝体活動や運動習慣を維持することは、震災後の福島県の避難地域の住⺠における脂質異常症の新規発症の予防につながるかもしれません。
書誌情報
タイトル | Relationship between physical activity/exercise habits and the frequency of new onset of lifestyle related diseases after the Great East Japan Earthquake among residents in Fukushima: the Fukushima Health Management Survey |
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著者 |
林史和 1,2、⼤平哲也 1,2、岡崎可奈⼦ 1,2、中野裕紀 1,2、坂井晃 1,3、細⽮光亮 1,4、島袋充⽣ 1,5、⾼橋敦史 1,6、⾵間順⼀郎 1,7、安村誠司 1,8、橋本重厚 1,9、川崎幸彦 1,10、⼩橋元 1,11、⼤⼾⻫ 1,12、神⾕研⼆ 1 |
掲載誌 | Journal of Radiation Research, Vol. 62, No. S1, 2021, pp. i129–i139. |
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