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こころの健康度・生活習慣に関する調査

Dealing with Community Mental Health post the Fukushima disaster : lessons learnt for the COVID-19 pandemic

福島原発事故後の地域のメンタルヘルスへの対応:COVID-19パンデミックへの教訓

要約

新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行下においては、心理的な苦痛を和らげることが必要です。現在、遠隔支援のニーズが高まっている中で、電話による支援が有効であると考えられます。我々は、2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故以来、電話支援システムを構築し、うつ病や心的外傷後ストレス障害などの心理的問題のリスクがあると思われる住民に対して介入支援を行っています。
電話支援では、まず、福島の災害で被災した人々にこころと生活習慣に関する調査票を送りました。その後、支援チームは、調査結果に基づいて選ばれたハイリスクの方に電話をかけ、相談支援を行いました。電話支援を受けた方々は、電話支援において、ストレス対処法や学校、行政、公共機関、医療機関等の社会資源情報の紹介、生活習慣へのアドバイス等を得ることを期待していました。
また、電話支援を行う支援員に対しては、精神的な負担を軽減するための心理的なケアが必要でした。心理的ケアとして、1)電話支援の定期的な専門職指導者からの教育・助言、2)カウンセリングスキル向上のためのセミナーの実施、3)個別的な心理的サポート、の3つを行いました。
支援員が自己効力感をもって支援に臨むことは非常に重要であり、支援員と被災した住民の間のポジティブな循環を続けることが、災害の影響を受けた社会の発展に寄与すると考えられます。

書誌情報

タイトル Dealing with Community Mental Health post the Fukushima disaster : lessons learnt for the COVID-19 pandemic
著者

桃井真帆1)、村上道夫1)、堀越直子1)、前田正治1)
1)福島県立医科大学医学部

掲載誌 QJM. 2020 Nov 1;113(11):787-788.
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