研究・論文
Associations between Dietary Patterns and Cardiometabolic Risks in Japan : A Cross-Sectional Study from the Fukushima Health Management Survey, 2011-2015
日本の心血管代謝リスクに関連する食事パターン:福島県「県民健康調査」2011~2015
要約
東日本大震災後、福島県民は心血管代謝リスクが高まっていました。本研究では、16歳以上の人々の食事パターンと心血管代謝リスクとの関連を2011年から2013年の食品評価の結果を基に、2014年(15,409人)と2015年(14,999人)の健康診断を受診した参加者の食事パターンを主成分分析により調査しました。
2014年と2015年の調査では同様の結果が示されており、野菜の食事パターンは過体重や脂質異常症、肉の食事パターンは低HDL-C濃度との有意な逆相関、ジュース・牛乳の食事パターンは高TCおよび高LDL-C濃度との正の有意な相関が示されました。これらの食事パターンは、日本における他のコホート研究で導き出された食事パターンと類似しており、最近の統計的調査結果による日本で習慣的に食べられる食品の上位3つのカテゴリー(大豆・大豆由来の製品、シーフード、野菜)とよく似ています。これにより、本研究は伝統的な日本の食品摂取が、心血管代謝リスクに予防効果があることを強調しました。
結果として、野菜の食事パターンは、過体重、高血圧、脂質異常症などの心血管代謝リスクと逆に関連している可能性、ジュース・牛乳の食事パターンは、血糖コントロール障害及び脂質異常症のリスクと明確に関連している可能性を示しました。
結論として、特に脂質異常症の心血管代謝リスクを減らすために、伝統的な日本食が豊富な野菜の食事パターンの継続的な促進が必要です。
書誌情報
タイトル | Associations between Dietary Patterns and Cardiometabolic Risks in Japan : A Cross-Sectional Study from the Fukushima Health Management Survey, 2011-2015 |
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著者 |
馬恩博1),2),3)、大平哲也1),2),3)、坂井晃3),4)、安村誠司3),5)、高橋敦史3),6)、風間順一郎3),7)、島袋充生3),8)、中野裕紀2),3)、岡崎可奈子2),3)、前田正治3),9)、矢部博輿10)、 鈴木友理子11)、神谷研二1) |
掲載誌 | Nutrients. 2020 Jan;12(1):129 |
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