研究・論文

  • ホーム
  • 研究・論文
  • Changes in the Mental Health Status of Adolescents Following the Fukushima Daiichi Nuclear Accident and Related Factors : Fukushima Health Management Survey
こころの健康度・生活習慣に関する調査

Changes in the Mental Health Status of Adolescents Following the Fukushima Daiichi Nuclear Accident and Related Factors : Fukushima Health Management Survey

福島第一原子力発電所事故後の青年期の人の心理状態の変化とそれに関わる要因:福島県「県民健康調査」

要約

背景:本研究では、東日本大震災直後の青年期の人の精神的健康状態に影響する震災関連因子を同定し、精神的なケアを行うための基礎資料を得ることを目的に、東日本大震災後より実施されている福島県「県民健康調査」における「こころの健康度・生活習慣調査」のデータの検討を行いました。

方法:対象者は、2011年度の「こころの健康度・生活習慣調査」の対象者のうち、15歳から19歳までの2,808名(男性1,327名、女性1,481名)です。質問項目のうち、ケスラー6項目心理的苦痛スケールスコア(以下、K6)、性別、年齢、健康状態、睡眠満足度、東日本大震災の経験、身近な人との死別の経験、仕事状況の変化、住居の変化、放射線の健康影響の認識を用いました。

結果:解析の結果、性別、健康状態、睡眠満足度、身近な人との死別の経験、仕事状況の変化、放射線による急性の健康影響に対する極度の不安、放射線による後年の健康影響に対する極度の不安、放射線による次世代の健康影響に対する極度の不安が、心理的苦痛と有意な関連を示しました。

結論:本研究の結果は、青年期の人には、原発事故後の放射線による健康影響への不安や、身近な人を亡くした者に対して、震災直後から適切な精神的なケアを行っていく必要があることを示唆しました。

書誌情報

タイトル Changes in the Mental Health Status of Adolescents Following the Fukushima Daiichi Nuclear Accident and Related Factors : Fukushima Health Management Survey
著者

林史和a),b),1)、三瓶恵美b),1)、大平哲也a),b)、中野裕紀a),b)、岡崎可奈子a),b)、安村誠司b),c)、中島聡美d)、矢部博興b),e)、鈴木友理子f)、神谷研二b)
a)福島県立医科大学医学部疫学講座、b)福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター、c)福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座、d)武蔵野大学人間科学部、e)福島県立医科大学医学部神経精神医学講座、f)国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神医療政策研究部、1)Equally contributed author.

掲載誌 J Affect Disord. 2019 Sep 10;260:432-439.
関連リンク