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Modeling reconstruction-related behavior and evaluation of influences of major information sources
復興関連行動のモデル化と主要な情報源による影響の評価
要約
2011年3月に東京電力福島第一原子力発電所の事故が起きましたが、福島県の復興は着実に進んでいます。しかし、依然として、福島県産の食品を食べることや福島県に観光に訪れることをためらう方がいたり、放射線による健康リスクへの懸念があったりします。私たちは、事故から数年後の状況において、福島県産食品の購買や福島県への旅行という復興を後押しする行動(復興関連行動)を促進するための対応や適切な情報提供の方法について検討するために、復興関連行動とリスク認知、情報の種類、情報源の関連を調査しました。
この研究では、東京に住む1,000人のオンライン調査の回答結果を用いました。まず、放射線に関連する知識について統計的にグループを抽出した結果、2つの因子として、「物理的知識」と「健康・社会的知識」が抽出されました。次に、「知識」「放射線のリスク認知」「復興関連行動に関する意図」の関連についてモデル化しました。
放射線のリスク認知の減少、あるいは、健康・社会的知識の増加とともに、復興関連行動に関する意図が増加することが分かりました。さらに、健康・社会的知識は、放射線のリスク認知を低減していました。この影響は小さなものでしたが、統計学的に有意でした。
さらに、情報源に基づいて、統計的に対象者を分類しました。行政からの広報誌やウェブサイトなど、公的機関からの情報を得ていた人は、他の情報源から情報を得ている人よりも、健康・社会的知識を高く持つことが分かりました。特に情報源を持たない人は、健康・社会的知識が最も低く、復興に対する認識も低いことが分かりました。
書誌情報
タイトル | Modeling reconstruction-related behavior and evaluation of influences of major information sources |
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著者 |
白井浩介1)、義澤宣明1)、竹林由武2)、村上道夫2) |
掲載誌 | PLoS One. 2019 Aug 23;14(8):e0221561. |
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