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基本調査

External Dose Estimation in an Early Stage after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident- Lessons Learned from Behavior Surveys Using Self-Administered Questionnaires

福島第一原発事故後初期における外部被ばく線量評価-自記式問診票を用いた行動調査から得られた教訓

要約

福島県「県民健康調査」の一環としての基本調査では、自記式の問診票を全県民に配布し、事故後4ヶ月間の行動記録を記入頂いた後、福島医大に返送頂いています。返送された手書きの行動記録は福島医大にてデジタル化され、コンピュータ上で空間線量率マップと重ね合わせることで、個人ごとの外部被ばく線量を評価しています。
基本調査を実施して行く過程では、様々な問題が生じました。問診票を全県民に配布した直後は、ピーク時で1日あたり約8,000通という膨大な数の問診票が届き、これらを処理しなければなりませんでした。このため、手書きの問診票をデジタル化する職員を一時は700人に増員して対応に当たりました。別の問題としては、行動記録が不完全な問診票も多数見られたことでした。行動記録に記載された場所が不明確な場合、場所を緯度経度に変換できず、空間線量率マップとの重ね合わせ(線量推計)ができません。そのため6万通以上の不完全な行動記録について、回答者一人ずつに問い合わせて行動記録を補った後に、線量推計を行いました。さらには問診票の回答率も問題となりました。回答率が20%前後から大きく上昇しなかったため、簡易な記入様式の問診票を導入したり、問診票書き方支援活動を行ったりと様々な回答率向上活動が行われました。
今後万が一事故が起こった際に、被ばく線量評価のため同様の行動調査を行う場合、基本調査で経験したことと同様の問題は生じる可能性があります。そのためこの報告は、基本調査において生じた問題や、それをどのように解決してきたかをまとめ、今後の万が一の事態への教訓とするものです。

書誌情報

タイトル External Dose Estimation in an Early Stage after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident- Lessons Learned from Behavior Surveys Using Self-Administered Questionnaires
著者

石川徹夫1)、安村誠司1)、小笹晃太郎2)、宮崎真1)、細矢光亮1)、赤羽恵一3)、米内俊祐3)、大津留晶1)、坂井晃1)、坂田律2)、栗原治3)、小橋元4)、大平哲也1)、神谷研二1),5)
1)福島県立医科大学、2)福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター、3)量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所、4)獨協医科大学、5)広島大学原爆放射線医科学研究所

掲載誌 Japanese Journal of Health Physics. 2018;53(2):100-110.
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