甲状腺検査

実施状況

先行検査(検査1回目) ※2018(平成30)年3月31日現在

  • 実施期間 2011(平成23)年10月~2014(平成26)年3月
  • 調査対象者 367,637人
  • 受診者(一次検査) 300,472人
  • A1・A2判定者 298,178人
  • B判定者 2,293人
  • 受診者(二次検査) 2,130人
  • 二次検査結果確定者 2,091人
  • 細胞診受診者 547人

判定結果

一次検査の結果

二次検査の結果

細胞診等で悪性ないし悪性疑いだった116人の年齢分布

先行検査の結果に対する評価

検討委員会による先行検査の結果に対する評価は以下の通りです。

これまでに発見された甲状腺がんについては、被ばく線量がチェルノブイリ事故と比べて総じて小さいこと、被ばくからがん発見までの期間が概ね1年から4年と短いこと、事故当時5歳以下からの発見はないこと、地域別の発見率に大きな差がないことから、総合的に判断して、放射線の影響とは考えにくいと評価する。
但し、放射線の影響の可能性は小さいとはいえ現段階ではまだ完全には否定できず、影響評価のためには長期にわたる情報の集積が不可欠であるため、検査を受けることによる不利益についても丁寧に説明しながら、今後も甲状腺検査を継続していくべきである。

出典:2016(平成28)年3月 福島県「県民健康調査」検討委員会

本格検査(検査2回目) ※2021(令和3)年3月31日現在

  • 実施期間 2014(平成26)年4月~2016(平成28)年3月
  • 調査対象者 381,237人
  • 受診者(一次検査) 270,552人
  • A1・A2判定者 268,322人
  • B判定者 2,230人
  • 受診者(二次検査) 1,877人
  • 二次検査結果確定者 1,834人
  • 細胞診受診者 207人

判定結果

一次検査の結果

二次検査の結果

細胞診等で悪性ないし悪性疑いだった71人の年齢分布

本格検査(検査2回目)の結果に対する評価

検討委員会による本格検査(検査2回目)の結果に対する評価は下記の通りです。

現時点において、本格検査(検査2回目)に発見された甲状腺がんと放射線被ばくの間の関連は認められない。

根拠一部抜粋
  • 国連科学委員会(UNSCEAR) が出している甲状腺吸収線量の推計値と甲状腺がん発見率との関連を解析した結果、線量の増加に応じて発見率が上昇するといった一貫した関係(線量・効果関係)は認められない。
  • 超音波検査等の結果での甲状腺がん疑いの発見率は、事故時等の年齢が高いほど高く、チェルノブイリ事故後に甲状腺がんが多く発見された年齢層(主に低年齢の子ども)と異なる。

出典:2019(令和元)年10月 福島県「県民健康調査」検討委員会(資料1-1、1-2)

本格検査(検査3回目) ※2021(令和3)年3月31日現在

  • 実施期間 2016(平成28)年5月~2018(平成30)年3月
  • 調査対象者 336,667人
  • 受診者(一次検査) 217,922人
  • A1・A2判定者 216,420人
  • B判定者 1,502人
  • 受診者(二次検査) 1,104人
  • 二次検査結果確定者 1,068人
  • 細胞診受診者 79人

判定結果

一次検査の結果

二次検査の結果

細胞診等で悪性ないし悪性疑いだった31人の年齢分布

本格検査(検査4回目) ※2022(令和4)年6月30日現在

  • 実施期間 2018(平成30)年4月~2020(令和2)年3月
  • 調査対象者 294,228人
  • 受診者(一次検査) 183,410人
  • A1・A2判定者 182,016人
  • B判定者 1,394人
  • 受診者(二次検査) 1,036人
  • 二次検査結果確定者 1,016人
  • 細胞診受診者 91人

判定結果

一次検査の結果

二次検査の結果

細胞診等で悪性ないし悪性疑いだった39人の年齢分布

本格検査(検査5回目) ※2024(令和6)年3月31日現在

  • 実施期間 2020(令和2)年4月~2023(令和5)年3月
  • 調査対象者 252,938人
  • 受診者(一次検査) 113,959人
  • 一次検査結果判定者 113,950人
  • A1・A2判定者 112,604人
  • B判定者 1,346人
  • 受診者(二次検査) 1,108人
  • 二次検査結果確定者 1,079人
  • 細胞診受診者 93人

判定結果

一次検査の結果

二次検査の結果

細胞診等で悪性ないし悪性疑いだった46人の年齢分布

本格検査(検査6回目) ※2024(令和6)年3月31日現在

  • 実施期間 2023(令和5)年4月~
  • 調査対象者 211,892人
  • 受診者(一次検査) 42,416人
  • 一次検査結果判定者 40,791人
  • A1・A2判定者 40,209人
  • B判定者 582人
  • 受診者(二次検査) 243人
  • 二次検査結果確定者 171人
  • 細胞診受診者 7人

判定結果

一次検査の結果

二次検査の結果

25歳時の節目の検査 ※2024(令和6)年3月31日現在

  • 実施期間 2017(平成29)年5月~
  • 調査対象者 149,843人
  • 受診者(一次検査) 12,603人
  • 一次検査結果判定者 12,286人
  • A1・A2判定者 11,609人
  • B判定者 677人
  • 受診者(二次検査) 554人
  • 二次検査結果確定者 546人
  • 細胞診受診者 49人

判定結果

一次検査の結果

二次検査の結果

細胞診等で悪性ないし悪性疑いだった23人の年齢分布

※各年度で25歳を迎える方(平成4年度~平成10年度生まれの方)

30歳時の節目の検査 ※2024(令和6)年3月31日現在

  • 実施期間 2022(令和4)年4月~
  • 調査対象者 44,489人
  • 受診者(一次検査) 2,221人
  • 一次検査結果判定者 1,624人
  • A1・A2判定者 1,481人
  • B判定者 143人
  • 受診者(二次検査) 118人
  • 二次検査結果確定者 111人
  • 細胞診受診者 16人

判定結果

一次検査の結果

二次検査の結果

※各年度で30歳を迎える方(平成4年度~平成5年度生まれの方)

甲状腺検査に関する直近の「県民健康調査」検討委員会への報告は、福島県ホームページをご覧ください。

第53回「県民健康調査」検討委員会

甲状腺検査の概要

目的

チョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故後、放射性ヨウ素の内部被ばくによる健康被害として、小児の甲状腺がんが報告されたことから、福島県はチョルノービリに比べて放射性ヨウ素の被ばく線量が低いとされているが、子どもたちの甲状腺の状態を把握し、健康を長期に見守ることを目的に開始。

対象者とスケジュール

検査区分 期間 対象者
先行検査(検査1回目)
甲状腺の状態を把握
2011(平成23)年10月~2014(平成26)年3月 震災時概ね18歳以下の福島県民
1992(平成4)年4月2日~2011(平成23)年4月1日生まれの方
本格検査(検査2回目)
先行検査と比較
2014(平成26)年4月~2016(平成28)年3月 1992(平成4)年4月2日~2012(平成24)年4月1日生まれの方
本格検査(検査3回目)以降 20歳を超えるまでは2年ごと、25歳以降は25歳、30歳など、5年ごとの節目に検査を実施(25歳時の検査までは5年以上空けない)

検査5回目については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020(令和2)~2022(令和4)年度の3ヶ年で実施。

検査方法

一次検査:超音波画像診断装置による検査

二次検査:詳細な超音波検査、血液検査、尿検査。医師が必要と判断した場合は、穿刺吸引細胞診を行う。

一次検査判定基準

判定 判定基準 方針
A 正常範囲と思われるもの
A1 のう胞や結節を認めない 2(または5)年後の一次検査
A2 5.0㎜以下の結節あるいは20.0㎜以下ののう胞
B 5.1㎜以上の結節あるいは20.1㎜以上ののう胞 二次検査
C ただちに精査が必要と思われるもの** ただちに二次検査

*5.0㎜以下の結節でも超音波画像によってはB判定とすることがある

** 甲状腺結節の甲状腺外組織への浸潤が疑われる場合、3㎝以上の巨大リンパ節転移(Large N)が認められる場合などが該当する

二次検査細胞診実施基準

※1 のう胞の成分をほとんど含まない結節
※2 FNAC:穿刺吸引細胞診