こころの健康度・生活習慣に関する調査

実施状況

2021(令和3)年度調査(2022(令和4)年10月31日現在)

  • 調査対象者 196,569人
    子ども(0歳~15歳) 18,909人
    一般(16歳以上) 177,660人
  • 回答者(回答率) 40,883人(20.8%)
    子ども(0歳~15歳) 2,992人(15.8%)
    一般(16歳以上) 37,891人(21.3%)

主な調査結果の経年変化

子どもの情緒と行動(SDQ)16点以上の割合の推移

  • 何らかの問題行動等を有するハイリスクの子どもの割合(16点以上)は、平成23年度はどの年代でも高く、とりわけ4歳~6歳は24.4%と高い値となりました。その後、全ての年代で減少し、令和元年度以降は先行研究のハイリスクの子どもの割合(9.5%)とほとんど変わりない程度まで改善しています。

※先行研究で示されている基準

一般の全般的精神健康状態(K6)13点以上の割合の推移

  • 平成23年度には、気分障害や不安障害のハイリスクの人の割合(13点以上)は、14.6%でした。その後改善傾向にありましたが、令和3年度は再び上昇に転じました。被災していない一般人口を対象とした先行研究における割合(3%)と比較しても高い値を示しています。

※先行研究で示されている基準

一般の普段の運動量:運動している方の割合の推移

  • 普段の運動頻度について、「ほとんど毎日している」または「週に2~4回している」と回答した人の割合は徐々に改善していましたが、令和3年度は41.1%でした。全国調査の結果によると、1週間の運動日数が2日以上と回答した人の割合は40.6%であり、単純な比較はできないものの、運動習慣について全国水準と同等であることがうかがわれます。

一般の問題飲酒(CAGE)2点以上の割合の推移

  • 令和3年度の問題飲酒のハイリスクの人の割合(2点以上)は、男性14.5%、女性6.6%で、それぞれ減少傾向にあります。

一般の新型コロナウイルス感染症の流行による生活への支障

  • 令和3年度の新型コロナウイルス感染症の生活への支障について、「非常にあった」または「ある程度あった」と回答した人の割合は41.6%であり、本調査項目を導入した令和2年度とほとんど変わりませんでした。

一般の放射線の健康影響の認識の推移

  • 令和3年度の放射線の次世代への健康影響の認識(リスク認知)について、「可能性は高い」または「可能性は非常に高い」と回答した人の割合は24.3%で、減少傾向にあります。

要支援者への支援の実施

2021(令和3)年度調査(2022(令和4)年12日31日確定値)

電話支援対象者に対して、調査回答に基づき、現在問題になっていることについて電話により聞き取りを行っています。

  • 要支援者対象者 9,786人
    電話支援対象者 3,375人
    文書支援対象者 6,411人
  • 支援実施者 9,082人
    電話支援対象者 2,671人
    文書支援対象者 6,411人

電話支援対象者の相談内容(子ども)

平成24年度
623人
平成27年度
250人
令和2年度
95人
令和3年度
107人
被災による不安、放射線・被ばく等の不安
147人(23.6%)
学校に関すること
54人(21.6%)
学校に関すること
25人(26.3%)
学校に関すること
38人(35.5%)
学校に関すること
136人(21.8%)
身体面の健康
15人(6.0%)
日常生活や習慣
18人(18.9%)
怒り・イライラ・暴力
15人(14.0%)
身体面の健康
102人(16.4%)
睡眠
9人(3.6%)
怒り・イライラ・暴力
12人(12.6%)
日常生活や習慣
14人(13.1%)
怒り・イライラ・暴力
90人(14.4%)
怒り・イライラ・暴力
8人(3.2%)
睡眠
9人(9.5%)
将来への不安
9人(9.5%)
抑うつ
83人(13.3%)
食習慣
4人(1.6%)
身体面の健康
6人(6.3%)
食習慣
6人(6.3%)
睡眠
8人(7.5%)

平成23年度は、集計方法が異なるため、平成24年度より記載

  • 調査回答の訴えに基づき、現在問題になっていることについて電話により聞き取りを行いました。子どもについての聞き取り対象は、多くの場合、調査票に回答した保護者でした。
  • 子どもの相談内容は、平成24年度は「被災による不安、放射線・被ばくの不安」の割合が最も高かったが、以降は「学校に関すること」の割合が最も高くなりました。

電話支援対象者の相談内容(一般)

平成24年度
5,991人
平成27年度
2,567人
令和2年度
1,968人
令和3年度
2,564人
身体面の健康
2,761人(46.1%)
身体面の健康
1,145人(44.6%)
身体面の健康
866人(44.0%)
身体面の健康
1,233人(48.1%)
睡眠
2,349人(39.2%)
睡眠
798人(31.1%)
睡眠
583人(29.6%)
睡眠
680人(26.5%)
抑うつ
1,417人(23.7%)
抑うつ
342人(13.3%)
抑うつ
296人(15.0%)
抑うつ
451人(17.6%)
家族関係
1,058人(17.7%)
食習慣
236人(9.2%)
食習慣
249人(12.7%)
運動
333人(13.0%)
住環境
1,049人(17.5%)
将来への不安
235人(9.2%)
運動
245人(12.4%)
食習慣
272人(10.6%)

平成23年度は、集計方法が異なるため、平成24年度より記載

  • 一般の相談内容は、平成24年度から令和3年度まで「身体面の健康」「睡眠」「抑うつ」の順で高い割合となりました。

こころの健康度・生活習慣に関する調査に関する直近の「県民健康調査」検討委員会への報告は、福島県ホームページをご覧ください。

第53回「県民健康調査」検討委員会

まとめ

こころの健康度・生活習慣に関する調査(ここから調査)の果たしてきた役割

調査結果

支援結果

こころの健康度・生活習慣に関する調査(ここから調査)の概要

目的

東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故の体験やこれらの災害による避難生活により、多くの方が不安やストレスを抱えていることから、県民のこころやからだの健康状態と生活習慣などを正しく把握し、一人ひとりに寄り添った保健・医療・福祉に係る適切なケアを提供することを目的に開始。

対象者

  • 2011(平成23)年3月11日から2012(平成24)年4月1日までに対象地域*1に住民登録をしていた方。(なお、対象地域*1から転出後も対象)
  • 調査年度の4月1日時点で対象地域*1に住民登録をしていた方。
  • 上記以外で基本調査の結果、必要と認められた方。

*1
対象地域:2011(平成23)年時に避難区域等に指定された市町村等
広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村、南相馬市、田村市、川俣町、伊達市の一部(特定避難勧奨地点の属する区域)

調査方法・調査項目(2022(令和4)年度)

記名式、自記式調査。対象者の年齢区分に応じた調査票を送付し、本人又は保護者が回答。

年齢区分 記入者 調査票の主な項目
0歳〜3歳 保護者回答 健康状態、身長、体重、運動、育児の自信、発達や行動の悩み、相談先の有無、コロナウイルス感染症、自由記載、等
4歳〜6歳 保護者回答 健康状態、身長、体重、運動、SDQ、発達やこころの問題の有無、相談先の有無、コロナウイルス感染症、自由記載、等
小学生 保護者回答 健康状態、身長、体重、運動、SDQ、発達やこころの問題の有無、相談先の有無、コロナウイルス感染症、自由記載、等
中学生 保護者回答(一部自記式) 健康状態、身長、体重、運動、SDQ、発達やこころの問題の有無、相談先の有無、コロナウイルス感染症、自由記載、等
一般 自記式 主観的健康状態、身長、体重、既往歴(高血圧、糖尿病、精神疾患)、健診受診、睡眠、運動、生活状況(現在の住まい、勤務状況)、喫煙、飲酒、K6、コロナウイルス感染症、放射線の健康影響、相談先の有無、自由記載、等